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宿泊分析2019(続編) Business Analysis 2

おしごと Owner's Works

宿泊・観光業関係者にしか面白くない内容の続編です。

以下、アメリカ・カナダ、オセアニア、東南アジアは、もともとの母数がごく僅かなので、特には触れないことにします。
各集計は、予約件数をベースにしています。
グラフをタップすると、大きく表示されます。


(2018年 国別リードタイム割合グラフ)

各国・地域別に、チェックインの何日前に予約を入れてきているか(リードタイム)の100%積み上げグラフです。
全宿泊者の3割強は、チェックインの3日以内、つまり、直前の予約で、チェックイン15日以内までの予約も含めると、6割に上ります。
この直前予約の傾向を押し上げているのは、日本人宿泊客です。
やはり国内旅行だと、そんなに先々の予約は取らないようですね。
一方、インバウンドはリードタイム3日以内が28%、15日以内までを含めると5割。
逆に言えば、半月以上前に予約を入れるひとが半分ということになります。
その中でも、香港についてはリードタイム3日以内がわずか10%、15日以内までを含めても26%しかなく、全体の4分の3のひとは半月以上前に予約を入れています。
続いて台湾、中国も、リードタイム15日以内は4割未満です。
一方、フランスを含む欧州は3日以内の予約が約4割で、15日以内までを含めると約5割と、日本人の国内旅行並みに、リードタイムが短いことがわかります。
アジア圏は来日前に予定を立てて、宿泊予約を入れるのに対して、欧州圏は来日後、旅をしながら予定を立てて、宿泊予約を入れているようです。


(2018年 国別宿泊人数割合グラフ)

次に、何人で旅行をしているかの100%積み上げグラフです。
全体では、65%が一人旅、19%がふたり旅、16%が3人以上のグループ旅です。
一人旅の傾向が全体よりも強いのは日本人で69%と、インバウンド一人旅の54%と比べ、15%も多い数値です。
中国、フランス、欧州で一人旅が約5割。
香港、韓国、台湾で一人旅が約6割。
特異なのは香港で、ふたり旅が6%しかない代わりに、約3割が3人以上のグループ旅です。
香港からは家族旅行が多かった気がして、別の集計をしてみました。
宿泊者全体で子連れファミリーの割合は8%、インバウンドでは6%しかないのですが、香港に限っては13%もあり、やはり香港はファミリーが多かったです。
香港でふたり旅が6%しかなかったのに対して、フランスを含む欧州はふたり旅が約4割と突出して高く、カップルが多かったです。


(2018年 国別宿泊日数割合グラフ)

続きまして、若葉屋で何泊したかの100%積み上げグラフです。
全体では7割が1泊のみ、2割が2泊、1割が3泊以上でした。
やはり日本人は1泊のみの割合が高く、実に8割が1泊のみです。
対して、インバウンドは1泊のみと、連泊とがほぼ半々です。
イメージどおりというか、フランス人は連泊が6割にも上ります。
でも、1泊のみのフランス人も4割あったのか、とも思います。
忙しいと思われがちな中華圏(中国、香港、台湾)でも、連泊のほうが若干、多くなっている上に、台湾、香港について言えば、3泊以上が3割にも上るのは意外でした。


(2018年 リードタイム・予約経路・泊数相関)

次に、1泊、2泊、3泊以上する宿泊客はいつ、どの経路で予約を入れてくるかの相関です。
連泊客はリードタイムが長い、という宣伝をOTAからされたことがありましたが、これを見る限りでは、泊数が長いほどリードタイムが長くなることはないようです。
強いて言えば、1泊だけのひとはリードタイムが短いというぐらいです。
予約経路については、だいたいどの泊数でも、どのリードタイムでも直予約が最多件数となっています。
特に、60日より前の予約については直予約がはっきりと強くなっています。
これは若葉屋がLonely Planetに掲載されたおかげで、若葉屋を一本釣りで選んでくれる欧米人が増えていることと、直予約とOTA予約とで、予約受付期間に差をつけた影響です。

ちなみに、海外OTAはBooking.comが主で、2018年途中からAirbnbを段階的に導入。
Booking.comからの自動転載でAgoda経由もわずかにあります。
海外OTAだからと言って、その利用者がインバウンドだけということはなく、Booking.comの日本人利用者も年々、増加傾向にあります。
国内OTAはじゃらんnetと、楽天トラベルを導入しています。
直予約は若葉屋の公式サイト、電話、メール、対面、ウォークインなどとしています。


(2018年 リードタイム・予約経路・部屋別相関)

続きまして、若葉屋の男女混合ドミトリー、シングル個室、ツイン個室、各部屋ごとの宿泊客はいつ、どの経路で予約を入れてくるかの相関です。
ドミトリーは圧倒的に、3日以内の直前予約が多く、1ヶ月以上前にドミトリーを予約する人となると、ごく少数ということがわかります。
一方、シングル、ツインはリードタイムごとのばらつきがほとんどありません。
むしろ、ツインで見れば、31〜60日前の予約が最も多いぐらいです。
そもそも、シングルは1部屋、ツインは2部屋しかないので、先々に予約が埋まってしまえば、直前の予約は入らなくなるので、当然といえば当然です。


(2018年 リードタイム・予約経路・売上等相関)

最後に、宿泊件数、売上額、キャンセル率と、リードタイム、予約経路の相関です。
売上に最も貢献しているのは直予約ですが、リードタイム16〜60日に限っては、海外OTAの方が集客力があります。
国内OTAの利用者はやはり大半が日本人ということもあって、リードタイム16日以上での予約は限定的です。
宿泊業界関係者が気になるキャンセル率も、ご覧のとおり。
直予約のキャンセル率は全体で13%なのに対して、海外OTAは36%あり、リードタイム31日以上でのキャンセル率は5割ほどにまでなります。
そして案外、国内OTAでも、リードタイム31日以上でのキャンセル率は海外OTAほどではないにしろ、5割弱もあります。
ただこれらはあくまで、キャンセル「率」であって、リードタイム31日以上での予約件数がもともと多くないため、キャンセルの「件数」で言えば、苦になるほどではありません。
やはり全体の傾向としては、リードタイムが短いほどキャンセル率は低いです。

確定申告前のおまけ。
2018年 勘定科目別支出割合です。
タオルも無料レンタルにしているので、リネン費が多くかかっています。
続きまして、主にOTAに支払っている販売手数料が12%。
昨年はオープン4年目にしてようやく外看板を新設したり、ドミトリーのはしごを造り直したり、2年に1度のエアコン清掃、業務用MacBook Proの2度に渡る修理など、修繕費が11%。
寄付金・会費は5%。

【寄付団体・加入団体】
NPO法人アーキペラゴ せとうちクリーンアップフォーラム
http://www.archipelago.or.jp/scf/

一般社団法人 街角に音楽を@香川
https://www.machikadomusic.net/

讃岐獅子舞保存会
https://www.facebook.com/shishi.sanuki/

西日本豪雨 災害義援金
(岡山県・広島県・愛媛県・高知県)

公益社団法人香川県観光協会
https://www.my-kagawa.jp/organization

以上!

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