ゲストハウス若葉屋のブログでもご紹介していました、「ゲストハウス思い出ノート 第一弾」の募集が2021年8月31日に締め切られ、本日、9月15日に受賞作品の発表がされました!
若葉屋もささやかながら参画させていただいておりまして、2作品を選定し、ちょっとした懸賞をお送りさせていただくことになっています。
数日間かけて、すべての「思い出」を読ませていただきました。
本当にすてきな思い出ノートがオンライン上にできあがっていて、そこから2作品を選ぶのは難しかったです。
そこで、その2作品を含む、「ゲストハウス思い出ノート 若葉屋が選ぶベスト8」をご紹介いたします!
旅人、ゲストハウスファンだけでなく、しばらく旅をしていないひとや、ゲストハウスに泊まったことのないひとも、ぜひ、読んでみてください。
読みものとしても、おすすめできます。
マスヤゲストハウスでの日々
東京・日本橋から京都まで、中山道を歩く旅人。
ゲストハウスは、まだ知らない。
ネットカフェに泊まる、下諏訪を通過するという選択肢もありながら、旅人は下諏訪のマスヤゲストハウスに予約の電話を入れる。
そして、印象的な夜を過ごすことになる。
それ以来、旅人にとっての旅が変わり、ゲストハウスは、忙しい日常からの休息の場となる。
一期一会を感じずにはいられない、旅の物語。
ゲストハウスは学校だった
大阪の会社で働いていた女性は、30歳で退職する。
そして、夢の実現に向けて、進み始める。
日本各地のゲストハウスを巡りながら、彼女は、それまで自分自身を縛ってきたものが何なのかや、どこかから与えられる「正解」なんて、実はないということに気づいてく。
彼女にとってのゲストハウスは、既存の学校とは、逆の学校だったのだ。
今、彼女は、夫婦で古民家宿ホニャラノイエを営んでいる。
「幸せを求めた旅」はあっけからんとした結末だった。
19歳の若者が、初めて、一人旅に出る。
若者は、「おもしろい人間」になりたかったのだ。
しかし、「おもしろい人間」にはなれなかった。
その2年後、再び、旅に出たときには、若者は前よりも少しだけ「おもしろい人間」になっていた。
しかし、どうもしっくりこない。
そんな「旅」の最中に、「旅行」がぶっこまれてくる。
若者は、「おもしろい人間」をやめ、旅をやめ、日常に戻ることにした。
かつおゲストハウスのゲストブックがおもしろい!
若葉屋をオープンする前にも、オープンしたあとにも泊まらせていただいたことのある、私も好きなゲストハウスです。
かつおゲストハウスには、若葉屋にはないものがいっぱいあります。
そのひとつが、ゲストブック。
かつおゲストハウスのゲストブックに残された、秀作の数々を、女将が披露しています。
そしてその女将自身も、高知でゲストハウスをオープンする前に、その時の意気込みを、沖縄のとある宿のゲストブックに書き残していたのでした。
手のひらに栓抜き
仕事を辞めた彼女は、ずっと気になっていた、鎌倉のゲストハウス、亀時間をようやく、訪れる。
その日は、他の宿泊客がおらず、とても静か。
彼女は散歩を楽しみ、オーナーのマサさんとの会話を楽しんだ。
会話はゆったりとしながらも、彼女は自分のやりたいことで生きていくという決意を打ち明ける。
彼女は海岸でビールを楽しみたかったので、マサさんから栓抜きを借りるのだが、うっかり、返すことを忘れたまま、チェックアウトしてしまう。
2年後、彼女は再び、亀時間を訪れる。
手のひらに栓抜きを持って。
僕にとってのゲストハウスという場所は
19歳の「僕」は、友人と一緒に、地元・仙台から沖縄まで、ヒッチハイクの旅に出る。
毎日が出会いの連続で、刺激的な旅だ。
しかし、「自分の足でちゃんと歩いてきたのか」という疑問を持ったまま、旅を終えた。
今度は、地元から逃げるようにして京都のゲストハウスに転がり込んで、そこで働かせてもらうことになる。
そこでは、個性も背景も様々な旅人たちや、オーナーと触れ合う日々。
そのうち、僕の心のなかでは、地元・仙台を想うようになり、幸せについて考えるようになり、そして、ゲストハウスをやりたいと思うようになっていく。
失敗と成長を繰り返してきた僕が創り上げた仙台ゲストハウス梅鉢は、今年で10周年を迎える。
夢か現か、
東京での仕事に追われる日々を過ごしていた女性は、ついに、ずっと気になっていた京都のゲストハウス錺屋に宿泊する機会を得る。
大正時代に建てられたその建物に入った瞬間、彼女はタイムスリップしたような空気を感じる。
木の床、レトロなソファ、茶棚の食器、苔むした中庭、タイル張りのお風呂。
たった一晩の滞在だったが、満ち足りた時間を過ごした。
そのわずか一週間後、全国に緊急事態宣言が発令される。
さらにその1年後、彼女が再び、ゲストハウス錺屋の前を通ったとき…。
不完全で豊かな時間
今から25年前。
ある青年とその妻は、ニュージーランドのとある小さな村の、小さな宿で手伝いをしていた。
食事の提供はおろか、テレビも、バスタブも、フロントも、部屋のドアすらない、不完全な宿だった。
宿は不完全だったが、その不完全が、旅人をその村の商店へと連れ出し、パブへと連れ出した。
旅人も、日本からやってきた夫婦も、豊かで贅沢な時間を過ごすことができた。
その後、夫婦が小樽でおたるないバックパッカーズホステル杜の樹をオープンしてから、22年の年月が過ぎた。
自分たちの宿が、あのニュージーランドの宿になれているだろうか、と思いを馳せながら、今日も宿の燈を灯し続ける。
ゲストハウス思い出ノート募集期間延長のお知らせ!
この企画は2021年9月16日から10月31日にかけて、第二弾の募集を行います。
投稿方法やルールなどは、こちらのお知らせをご一読ください。
また、発起人である岡田さんのメッセージ「みんなで一冊の思い出ノートを作りたい 〜旅への感謝と敬意を込めて〜」も、ぜひご覧ください。