安全対策協議会

12/13~12/16の間、またまた、ダカールに上京してました。
ここ数ヶ月、やたら、上京してる感じでちょっと嫌なんですが、
今回はセネガルの全隊員が集まるイベントがありまして。

安全対策協議会。
JICAセネガル事務所が7月と12月の、年2回開く、
安全とか健康に関する研修会みたいなものです。

数時間にわたる講義やワークショップの最後に、所長の講話が
あったのですが、これが一番、緊張感のあるものでした。
その内容はやはり、来年2月26日に予定
されている、セネガル大統領選に関して。

まず、セネガルの大統領選は、これまでの中東や他のアフリカ
アフリカの選挙後の暴動・政変とは様子が違いますよ、と。
他国の選挙後の暴動とかは、その開票結果に
不満を持った市民が暴動を起こしたものです。


一方、セネガルの場合は、憲法上、大統領の三選が認められて
いないにもかかわらず、現在二期目のワッド大統領(写真)が
再出馬しようとしていることに、既に、市民の不満があります。
さらに、現在85歳のワッドが今回、仮に再選した場合、
次期任期中に90歳を超え、あまりにも高齢である
ということにも、市民の不満があります。
(ちなみに、セネガルの平均余命は58.6歳)
つまり、選挙をやる前から、市民は不満を抱いていて、
暴動に発展する危険性がある、ということらしいのです。

1/25ぐらいに立候補者登録があって、その少し前に
ワッドが出馬表明するタイミングがまず、危険。
次に、それを司法(憲法評議会)が仮に、
ワッドの出馬を合憲と判断した場合に、危険。
今年の6/23に首都ほか、全国の各都市で
暴動が発生したことをきっかけに、毎月、23日は
暴動のリスクがあり、12/23、1/23が危険。
投票日の2/26と、その開票日の2/27はもちろん、危険。
単独で過半数を得票する候補者がいなければ、決選
投票があるので、それが予定されている3/18が危険。

危険とされる期間は結構長いです。

JICAセネガルも2/1~3/15の期間中、セネガル
入出国を制限し、国内移動の制限も検討中。
USAID(米国開発庁)はもっと早い、
1月から移動制限をかけるとか。

一方、村にいると、そんな危険な感じはしません。
「セネガルには祈りがあるから、大丈夫だ」とか、
「セネガルではマラブー(イスラム聖職者)の力によって、
暴動を防ぐことができるから、大丈夫だ」と聞きます。


しかしそうは言っても、6/23には死者こそは出なかった
ものの、首都では放火、破壊、投石を伴う暴動に発展しました。
聞けば、1989年にはセネガル・モーリタニア間で紛争が起こり、
セネガルではモーリタニア人狩りが行われたとも言い、
翌1990年にはセネガル奥地の村で反政府運動を
鎮圧した軍が虐殺行為を行った、とも。

また、国が混乱したときにこそ、良からぬ
イスラム武装勢力などが入り込みやすいとか。
実際、アル・カイーダメンバーがダカールに
3回入った、という情報もあるようです。
アル・カイーダというのはいつも、ニュースで見聞きする
もの、遠い存在でしたが、どうやらここ、セネガルは
彼らの勢力圏からはそう、遠くはないようです。

さて実際、村人が言うように、このまま平和にことが進んでいくのかも
しれませんし、暴動が発生してエジプトやチュニジアのように、国が
ひっくり返り、隊員もみんな、国外退避になるのかもしれません。

いつもはセネガルでの平和的な様子をつづるこのブログですが、
今日は、セネガルのまた別の一面について書いてみました。

さて、どうなるのか、インシュアラー(アッラーのみぞ知る)です。
もし、ワッドの再選を食い止めるとしても、どうぞアッラーよ、
普段は愉快なセネガル人たちが流血するような
事態にはならないように、お願いします。

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