先日、ある養蜂おっさん、Dianne氏と市場で会いました。
「Pierre(俺のセネガル名)がしばらく
居なかったから、自分で養蜂箱を作ったよ。」
ほう!
近々、Dianne氏の養蜂箱を見に行こうと思いながらも、ほかの
養蜂おっさんを訪ねたときに「Dianneさんは、自分で養蜂箱作った
みたいね」と言うと、さすがは養蜂仲間、そのことを知っていました。
というか、目撃していました。
「そうそう、こないだ、『養蜂箱を作るんだ』と
言って木材を買って帰るところを見かけたよ。」
Dianne氏はもともと、草を壷状に編んで、セネガル式
養蜂箱を自作して茂みに設置していました。
その彼が木材を買ったということは、雨季前に開催した養蜂研修で
習った、欧米式養蜂箱に初挑戦してみたということだろうか。
先日、彼を訪ねてきました。
ちょうど、落花生の収穫作業、午前の部を終えたところでした。
挨拶がてら、採れたての落花生をかばんに山盛りいただきました。
今年は雨不足で収穫が少ないのに。。。
養蜂箱の設置場所まで歩きながら、どんな
養蜂箱を作ったのかという話をしました。
すると、frigidaire(フリジデール)で作った、と。
何なのか、それは!?
(フラ語をちゃんと勉強している人はすぐ分かるはず。)
これ!
なんと、壊れた冷蔵庫を養蜂箱にしてしまったのです!
横倒しになって、ふたの面が上を向いています。
側面には穴が強引に数箇所開けられていて、
しかも既に蜂がそこから出入りしています。
蜂が居るので中を開けることはできませんが、
これを作るところを見たかった!
Dianne氏の説明によれば、中に2本、鉄骨をはわせて、
その上に木の棒を30本ぐらい並べてあるようです。
そう、この木の棒が重要なのです。
これがないと、蜂は巣をひとかたまりに作るので、採蜜のときに
巣を根こそぎ取るしかなくなってしまうのですが、木の棒を並べる
ことで、その棒に沿って、それぞれに独立した板状の巣が作られます。
採蜜のときは、蜜の詰まった巣板だけを取り、蜂児や卵の
詰まった巣板、最低限の食料として、蜜の詰まった
巣板数枚を残しておく、ということができるのです。
私が開いた養蜂研修で得た知識を養蜂家が
自分なりに加工して作った、冷蔵庫養蜂箱。
うれしいです。
ちなみに、この壊れた冷蔵庫は市場で
2,000FCFA(350円ぐらい)で買ったとのこと。
一方、彼お得意の草で編んだセネガル式
養蜂箱でも、蜂たちはせっせと働いていました。
さて、帰宅して、冷蔵庫養蜂箱の写真を
同居人に見せたら、感想は、「これはrockですねー。」
なるほど、あの新しさ、大胆さ、斬新さはrockなのかもしれない。