ここでまた、問題発生。
研修で作った養蜂箱をどこの村に設置するかです。
元は、養蜂研修を長く待ち望んできたMbap村に設置する予定でした。
設置に際しては、講師も現場に同行して、設置に
適する場所を実際に確認するという流れです。
しかし、Mbap村はMedina Sabakh村から遠く、馬車で
往復していては、講師が6月2日中に帰宅できなくなります。
そのため、Mbap村よりもMedina Sabakh村に
近い、Sangap村への設置を提案しました。
Sangap村からの参加者も、それを強く主張しました。
そしたら、穏やかと思っていたMbap村からの
参加者、Mady Cisse氏まさかのブチ切れですよ。
「俺はMbap村の村長だ!PENCの環境委員会の
委員長だ!PENCの計画会議では、養蜂箱は
Mbap村に設置と決めたじゃないか!」
おっと、地位、身分を振りかざしてきました。
「今回は、時間がないから、Sangap村に設置して、
製作中の型枠が届いたら、改めて、それを使って
養蜂箱をMbap村に作ろう」となだめると、今度は逆ギレ。
「よし、じゃぁ、Sangap村に設置すれば良い!
俺は帰るぞ!養蜂なんか、止めだ、止めだ!」
「おー、じゃぁ、帰りやがれ」と言ってしまうのは
簡単ですが、そうしたらおしまいです。
ここはなんとしてでも、彼を引き止めなければいけません。
Sangap村の参加者は相変わらず、「ほら、Pierre(俺)も
Sangap村のほうが良いって言っているじゃないか!」
と語気を荒げます。
まさか、近隣の村人同士でこんなにも激しく、面と
向かって対立が起こるとは思ってもいませんでした。
基本、セネガル人は対立を避ける傾向があると感じていたのに。
既に養蜂を一緒にやっている参加者、
Saco Tiam氏も仲裁に入り、助け舟を出します。
同じく、既に養蜂を一緒にやっている参加者、
El Hadji Dianne氏は、
「そんなごたごた言うんなら、よし、俺の村に持って
行ってしまえばいいんだ」と笑いながら冗談を抜かしています。
いよいよ収拾がつかなくなり、Ousman氏を呼び出しました。
まぁ、本来、彼がその場にいるべきなんですが…。
Ousman氏はMady氏がPENC内で要職に就いていること、
計画会議のとおりの遂行を尊重し、「養蜂箱はMbap村へ。
搬送はNGOの車を使える。」、と。
何とか事態は収まり、残りの作業を終えて1日目、終了。
気が重いまま、2日目、開始です。
前日の段取りの悪さ、作業の遅れ、ごたごたがあって、そもそもの
やる気がなくなったことに加え、5月31日、6月1日と2日連続で
夜に雨が降り、「やべー、雨季が来るー」と、慌てて農作業を始めた
参加者もいて、2日目の参加者はなんと、4人。
ちなみに、予定では11人です。
人が、来ない。
失敗もいいところです。
しかし敢えて、小さな成功をあげるならば、人数が少なくなった
ことで、参加者たちが個別に講師たちに質問をし、講師の細かい
アドバイスを受けることができたことでしょうか。
既に養蜂をしているEl Hadji氏は事前に、質問項目を考えて
きていて、すごく熱心に質問をしていましたし、これから養蜂を
始めるMamath氏はノートびっしりにメモを取っていました。
El Hadji氏の養蜂箱は今後、改造を加えることにもなりました。
さて、昨日のごたごたを解決するアイテム、NGOの車ですが、来ない…。
この日も研修会場には現れないOusman氏に
電話しても、「もう、来るから」の一点張り。
このままでは、講師が自分たちの村に帰る時間になってしまいます。
講師と一緒にOusman氏宅へ行くと、
なんとそこには俺らが待っていたはずの車が!
「いや、この車は別の用事で必要で(汗」
苦し紛れもいいところ。
「じゃぁ、養蜂箱を運ぶ車はどこに
あるのか?」と問うと、言葉を濁す。
怒りを通り越し、あきれてきました。
「やることがいっぱいあって、手が回らない」と言い訳するので、
「手が回らなくなるような予定を立てるからだ!できないなら、
できないと言うべきだ!」と思わず、言い返しました。
本当は、もっと、言ってやりたいことがありましたが、そう
することが何のためにもならないことは分かっていました。
結局、講師はどうしても6月2日中に
帰宅しないといけないので、帰宅。
その後も車は来ず、研修は解散しました。