およそ1ヶ月前に出席したPENCの総会で知り合った、PENC
Diama Gadio(代表:Backa Ciss?氏)の養蜂プロジェクト。
2泊3日という日程で視察してきました。
Nioro市内のSymbiose(地元NGO)事務所での会議に
Backa氏が出席していたので、彼と一緒に、行き先である
Ndiao Bambali村へと向かいました。
着いてまず案内されたのが、この建物。
村人宅で泊まることになると思っていたら、
なんと、この宿泊施設が用意されていました。
中はベッド(蚊帳つき)のある部屋と、シャワー&トイレがあります。
Ndiao Bamali村含め、周辺約10村ぐらいである、地域開発系の
組織を立ち上げていて、その組織の運営する宿泊施設のようです。
この村に来る途中の村でも見かけたのですが、
この村にも太陽電池式の街灯が立っています。
このエリアはまだ、電化しておらず、夜は淡い
ながらも、この街灯があたりを照らしていました。
Ndiao Bamali村と、その隣のLouba村に行き
ましたが、このあたりの家庭では、小さい太陽電池と、
充電式のLEDライトをよく見かけました。
みんな、街の商店で買ってきているようです。
セネガルのど田舎ですが、先進技術が届いています。
着いた初日は体も疲れていて、村で挨拶周りをしたぐらいで終わり。
2日目。
午前中、村の森にある養蜂箱を見て回りました。
金属製の足場の上に、セメント製の養蜂箱が
乗っていて、盗難防止のために鎖が巻かれています。
そう、養蜂箱はよく、盗難や破壊の被害に遭います。
セメント製養蜂箱での養蜂にはまず、この小さな木製の養蜂箱に
蜂を住まわせてから、セメント製養蜂箱に引越しさせます。
木製の方が自然に近く、蜂が入りやすいとのこと。
こちらは、前回の採蜜のときに焼けてしまった養蜂箱です。
養蜂箱をPENCやSymbioseの支援で設置したものの、研修が
しばらく行われておらず、住民たちが正しい採蜜方法を知らない
まま、火を使う伝統的な方法で採蜜をし、焼けてしまったようです。
しかし、この村のすごいところは、「焼けちゃった」で終わらず、
自分たちでお金を出して、焼けた部材(カートリッジ)を
作り直してリベンジをすることです。
で、今回、その再設置を見てきました。
これが作り直した部材、カートリッジ。
村の木工屋に、7,500FCFA(1,500円相当)x2箱分を払って
この棒を作ってもらい、それに蜜蝋のラインを貼り付けてあります。
蜂が入ると、このラインに沿って蜂の巣ができていきます。
どこからその7,500FCFAx2が出たかと言うと、この村は村人
たちで養蜂組合を作っていて、そこでお金を工面したとのこと。
養蜂組合はBackaを組合長とし、ほか、採蜜担当、販売担当、
警備担当、事務担当などの役職を置いており、蜂蜜を売る
ときの売価と、販売益の分配割合も決めてあります。
売価は地元民向けには2,500FCFA/kg、
外国人向けには4,000FCFA/kgです。
村で作る蜂蜜としては2,500FCFA/kgでも割りと高い
(普通は1,500FCFA/kgぐらい)のですが、伝統的養蜂で
できる蜂蜜よりも質が良く、この値段でも売れると言います。
実際、別の村では近代的養蜂でできた
蜂蜜を2,750FCFA/kgで売っているようです。
さて、今回のリベンジは焼けたカートリッジを
入れ替えるだけでなく、設置場所も変更です。
馬車で運びます。
そして、新設置場所で新カートリッジをセットしていきます。
木製の蜂導入用養蜂箱から、カートリッジを
5本移してくるので、そのスペースは空けておきます。
作業を終えて、ふたを閉める頃には夜になっていました。
日が暮れる前に撮った、養蜂組合の男たち。
右2人、どうしてこの同じポーズを選んだのか。
左から2番目がPENC Diama Gadioの代表であり、
養蜂組合の組合長でもあるBacka Ciss?氏、33歳。
2児のパパで、村の健康共済組合の事務をしています。
若くて、頭の回転のいい、リーダーです。
12月には、周辺5村を対象に養蜂研修をを導入し、
その5村で新たに1つの養蜂組合を組織する計画です。
3日目。
Ndiao Bambali村を後に、帰路途中にある
Ndimb Taba村のKeba Kebe氏を訪ねました。
この村は2~3年前に養蜂をPENC Kayemorの支援のもと始めた
ものの、4つの養蜂箱のうち、2つが盗難・破壊の被害に遭っています。
あとの2つには今も蜂がいるとのことですが、
防護服を持っておらず、採蜜ができていない状況。
また今度来たときに、ゆっくり、話を聞いて、様子を見たいと思います。
次、Padaf村。
養蜂をやっているModou Die Seck氏が不在のため、またの機会に。
これまで、いくつもの養蜂村を見てきましたが、今回の
訪問で改めて感じたことは、やはり、継続の
ためには組織化が必要である、ということです。