(写真)雨季のバオボロン川
川を渡る道路が浸水しつつあります。
川岸に見えるのがユーカリの植林地帯。
ニオロ市内の先輩隊員たちと植林について話をしました。
ユーカリ材の販売価格が安すぎること以前に、ユーカリ植林を
している村々の中で、国道沿いか、国道から離れているかで
その有利性にかなり差があるという問題があります。
商人のトラックは、転倒の恐れのある田舎道を走りたがらず、
国道から離れている村の村人は馬車などに伐採木を積んで、
トラックの待つ国道まで運ばねばなりません。
その途中に木が傷んだりもするようです。
国道からの距離がかなりある場合は、馬車での輸送も不可能、
つまり、売ることすらできない、というわけです。
そういう村ではユーカリ植林をしても、村人はなんも裨益しないのか。
そうでもありません。
現金収入を得るには、ユーカリを伐採して細かく
切り、木炭にして、市場で売ることが可能です。
木炭は伐採木よりも小さく、軽いため、ある程度
離れた市場まで運んで行くことができます。
また、ユーカリ一本当たりで得られる収益は、
木材として商人に売るよりも大きいようです。
売って現金を手に入れるだけでなく、
炭は当然、村の中でも使われています。
炭を自給していない村は、お金を出して炭を市場で買ってきている
はずなので、その分の出費を減らすことにも一役買うことになります。
問題は、炭にする作業にかなりの労力と時間がかかるのと、
炭焼きをするには森林局の許可を得る必要があります。
炭焼きについては俺はノーマークだったので、
これから炭焼きについても探ってみようと思います。
木材としての販売、炭焼き以外に、経済的にはなかなか
効果が計れないものの、防風林、木陰、境界線、
さらに、養蜂の蜜源としての役割もあります。
野菜畑の中に木を植える、アグロフォレストリーというのがあり、畑の
中に木陰を作ることで、地表の乾燥を防ぐという効果もあるようです。
俺らの配属先である森林局は、果樹植林も支援しています。
果樹は果物がなるので、それを売って現金収入を
得ることもできますし、村で食べるのも良しです。
ユーカリ木材が安値であろうと、売れているのは
セネガル国内の都市部での建設ラッシュがあるからです。
ラッシュが終われば、その需要も落ちるはずです。
それを考えれば、ユーカリだけに集中して植林するのも考え物。
苗木はニオロ市の森林局が村人に配っている(果樹は500cfaで販売)
のですが、遠方の村人はそこから大量に持って帰ることが難しい。。。
ということで、地域苗畑というのを8ヶ村につくり、苗木が
欲しい村人は最寄の地域苗畑から入手することが可能になっています。
しかし、この地域苗畑もうまく生育しているところと、
そうでないところがあったり、お金の問題も
あったりと、改善の余地はありまくりです。