なぜ青年海外協力隊の村落開発普及員に参加するのか。
大まかな理由は2つ。
1つ目の目的は、途上国経験を積むこと。
国際協力業界に就こうとするときに必ず問われる条件が4つ。
1.社会人経験
2.途上国経験
3.専門性(修士号以上)
4.語学力
これの2番目をクリアーするために協力隊に応募した。
では、なぜ、途上国経験が必要とされるのか
というのを自分なりに考えてみた。
それはおそらく、派遣中に知識や技術を現地で身に
つけることよりも、先進国(日本)と途上国とでまったく
価値観や、行動の優先順位の異なる人たちと一緒に
仕事をした、という経験が必要とされているのではないかと思う。
もちろん日本人どうしでも価値観は違うし、
「途上国の人の価値観」とひとくくりにすることも無理ではある。
しかしながら、日本の中で「普通、こうするだろう」
「普通、そうはしないだろう」という感覚、
センスが途上国では全く通用しなくなる。
その環境に順応し、地元住民と価値観を共有する
という経験を積んでいきたいと思う。
2つ目の目的は、自らの専門性を見つけ出すこと。
学部レベルでは開発学のいろはを学んできた。
この開発学を大学院へ進学して深め、そっちの道へ進む、
ということを考えたこともあった。
しかし、開発学という、超大枠的な専門性はなかなか、
現場のニーズとは合致しないことがあるらしい。
現実的言葉で言い換えれば、開発学だけではメシは食っていけない。
もっと焦点を絞る必要があって、せめて、地方行政、上水道整備、
農民組織、市場開発、初等教育、熱帯作物ぐらいには絞って、
自分の専門性を高めていかないといけない。
でも現時点で俺にはそういった専門性がないし、
どの分野にすべきかを決めてはいない。
それで、あえて活動分野を限定されない職種、
村落開発普及員を選んだ。
正直、現地に行って自分で現地の状況を
分析した上で、活動を開始すればいい。
途上国で求められる専門性とは何なのかを活動期間中に
見いだして、活動終了後、その専門の勉強と、必要であれば
その分野での修行(就職)をやっていきたい。
「これから新たな専門を身につけるなんて遅いんでは?」と
思われるかもしれないが、2年間、どっぷり現地(途上国)に
浸かった上で、本当に必要とされ、俺が「やりたい」と
思える専門性を見いだしたいと思った。
現地のこともよくわからずに、日本で暮らしながらその専門性を
絞ることは自分にはできんなと思う。
次回は、協力隊が終わってからのことを書こうかな。