(2022/9/6更新)
春会期と夏会期は既に終了しましたが、9月29日から11月6日の間で秋会期が繰り広げられます。
「弾丸日程であの島もこの島も、回りたい!」
そんな瀬戸芸ファンの声が聞こえてきますが、でもちょっと待って。
「しまった!知らなかった!」
人気の瀬戸芸だからこそ、離島だからこその思わぬ落とし穴があります。
これまでもたくさんの瀬戸芸ファンをお迎えしてきたゲストハウス若葉屋が、時間もお金も無駄にすることなく、瀬戸芸をめいっぱい楽しむコツをお伝えします。ゲストハウス若葉屋に宿泊される方も、そうでない方もどうぞご活用ください。また、誤りや最新情報がありましたら、どうぞやさしく教えてください。
【目次】
- 大混雑を切り抜けよう
- 作品鑑賞パスポートは買うべき?
- 船を乗りこなせ!
- 予約が必要・可能なアートサイト
- 休館日がある
- 瀬戸芸だからこそ行くべき島は?
- 島で泊まってみよう
- オフィシャルツアーに参加しよう
- イベントを楽しもう
- 島を想う、瀬戸芸を作る
【0. 情報を集めよう】
本題に入る前に、まずは情報収集です。
公式ガイドブックはAmazonなどのほか、高松港旅客ターミナルビル1階の高松港公式ショップ「海の市場」や瀬戸芸各案内所でも販売されています。ガイドブックはぜひ、お買い求めください。作品紹介はもちろんのこと、それぞれの島の物語やアーティストの思い、島内での飲食店や周辺の観光スポット、そして、航路、島内バス、駐車場などの交通情報がすべて網羅的に掲載されています。
ともあれ、情報はこれからどんどん変わっていきます。こちらの公式サイトで最新情報を必ず確認するようにしましょう。
公式情報ではありませんが、Facebookグループの「瀬戸芸ファンコミュニケーションズm」でも最新情報が飛び交っています。質問をすれば、瀬戸芸を知り尽くした猛者たちがやさしく教えてくれます。
【1. 大混雑を切り抜けよう】
実は、今回の瀬戸芸ほど落ち着いて島めぐりができる瀬戸芸は、後にも先にもないのではないでしょうか。コロナ禍ならではの瀬戸芸を楽しんでみましょう。とはいえ、週末や連休中にはある程度の混雑も予想されています。
いつが混雑するのか
なお6月11日現在は、夏会期前までの開館カレンダーしか公開されていませんが、夏会期前になりましたら、公式サイト: 開館カレンダー上部の混雑予想の行をご覧ください。
会期中であっても、混雑度がAやBであれば、比較的スムーズに島めぐり、アート鑑賞が楽しめます。(ただし、休館日に要注意!)
お盆や連休など、混雑度Dぐらいで人気航路で積み残しが発生し始め、混雑度Eではおそらく、みなさんの想像以上の混雑ぶりになります。
お盆の8月11日、12日、13日も宿泊施設は満室になりつつあり、直島の地中美術館もチケット完売の日が出てくると思われます。
船と要予約施設での混雑については後述しますので、その他の混雑ポイントを見ていきましょう。
検温スポット
今回の瀬戸芸では、一日の最初の有料作品鑑賞の前に、必ず検温スポットを通過して当日に限り有効なリストバンドを装着してもらう必要があります(公式サイト: 来場者の検温と体調確認について)。
検温スポットにはブースなどがあるわけではなく、フェイスシールドをつけた検温スタッフがそのあたりに居ます。
女木島、男木島、大島は島内に検温スポットがないので、高松や別の島で検温を済ませておかねばなりません。
混雑日は検温スポットでも行列ができることが予想されますので、朝はとにかく早めに動き始めましょう。また、高松市内の県立ミュージアム、高松市立美術館、四国村にも検温スポットがあります。
島内の飲食店
混雑日は、島内の飲食店がお昼どきになるとどこも満席。ランチ難民になる可能性があります。ランチを早めに済ませたり、高松港「食のテラス」や宇野港案内所でお弁当を買ってから島に渡るなどするといいでしょう。
なお、大島の島内では食事が禁止されています。持参しても食べることができません。
島内のレンタサイクル
混雑日には直島や豊島のレンタサイクルが出払ってしまうことがあります。レンタサイクルを事前予約しておいたり、もしくは、高松でレンタルしてフェリー(高速艇は不可)に乗せて島に渡るなどしましょう。ただし、高松市営のレンタサイクルを島に持ち込むことは禁止されています。若葉屋にご宿泊のお客さまには1日最大500円でレンタサイクルをお貸ししています。また、田町クラウズではワンランク上のレンタサイクル貸し出しもあり、島を快適に走ることができますよ。
(公式サイト: レンタサイクル)
2. 作品鑑賞パスポートは買うべき?

(開幕直前発表会時の動画より。前売り券の販売は終了済み)
パスポートには春・夏・秋すべての会期で有効な3シーズンパスポートと、春・夏・秋いずれかの会期でのみ有効な会期限定パスポートの2種類があります。
瀬戸芸の大半の施設・作品の鑑賞は有料で、パスポートやデイチケットを持たない場合、サイトごとの個別鑑賞料は300円から2,100円です(15歳以下は一部作品を除き、鑑賞無料)。また、常時、無料で鑑賞できる屋外作品も多くあります。
なので、ちらっと瀬戸芸の雰囲気を感じてみたい方や、お目当ての作品だけを鑑賞したい方であれば、パスポートを購入するよりも、チケットの個別購入のほうがお得になるでしょう。
1〜2日間で瀬戸芸を楽しみたい方にはパスポートよりもお手頃価格の1デイチケットと2デイチケットも販売されているので、こちらもおすすめです。たとえば、犬島の精錬所美術館や家プロジェクトなどがセットになった共通チケットが2,100円なので、犬島へ行かれる方はデイチケットが断然お得ですし、女木島名店街(1,200円)に行かれる方も、ほかに何ヶ所か対象の有料施設・作品をまわればもとが取れる計算です。
ここで注意したいのは、パスポートもデイチケットも、対象外の作品・施設があるということです。地中美術館(2,100円)や豊島美術館(1,500円)などは対象外ですので、パスポートやデイチケットを持っていても、鑑賞料を支払う必要があります。特にデイチケットは、直島の全有料施設が対象外です。直島をメインでめぐりたい方は、チケットの個別購入か、パスポートの購入をおすすめします。
各施設・作品ごとの鑑賞料、パスポート・デイチケットの対象外施設・作品については公式サイト: 開館カレンダーで確認ができます。
なお、コロナや台風などによって開催日の短縮、公開作品の減少、人数の制限などがなされたとしても、パスポート・デイチケットの払い戻しはされません。あまり急いで事前購入はしないほうがいいでしょう。
なお、パスポートは対象施設・作品が鑑賞できるだけでなく、以下のような特典があります。
- 香川・岡山両県の指定の文化施設、観光施設、レジャー施設での割引利用や飲食店でのサービス(詳細)
(四国村、二十四の瞳映画村(小豆島)、鬼ケ島大洞窟(女木島)など) - 瀬戸芸の有料イベントに割引価格で参加(詳細)
- 専用駐車場の無料利用(詳細)
- 高松港と直島宮浦港の瀬戸芸公式ショップでのお買物割引
パスポートもデイチケットも、その購入費用と鑑賞予定の有料施設・作品の個別鑑賞料とを比べたときに、ほぼ同額、もしくはパスポートやデイチケットのほうがわずかに高いぐらいであれば、パスポートやデイチケットをおすすめします。パスポートであれば、上記のような特典がありますし、施設・作品ごとに都度支払いするのも手間ですので。
今回の瀬戸芸では紙のパスポートだけでなく、スマホ・タブレットのアプリを利用したデジタルパスポート(デジパス)も導入されています。価格はどちらも同じです。さて、どちらがいいのでしょうか。
紙パスポートは、実券が手に入りさえすれば、最強です。使い勝手に心配するべきことはなく、スタンプがどんどん押されていく楽しさと、旅の思い出として手元に残るのもいいですね。
高松港のオフィシャルショップではパスポートケースが販売されています。頻繁に出し入れすることを考えて、買っておいてもいいですね。
紙パスポートの欠点は、混雑日はその入手のために行列に並ぶ可能性があることです。コンビニなどで引換券を事前購入したとしても、その引換券を瀬戸芸の各案内所で実券に交換する必要があるのです。引換券の事前購入だけでなく、高松空港(デイチケット不可)、直島や豊島の美術館、瀬戸芸各館内所で実券を購入することも可能です。(公式サイト: パスポート&デイチケット 販売・引き換え場所一覧)
(デジパス Google Play / App Store)
一方、デジパスはその購入・入手に際して待ったり並んだりする必要がまったくありません。できる限りのことを事前に準備しておきたい方はデジパスがいいでしょう。
ただし、各施設・作品の受付で都度、デジパスのQRコードを表示して読み取ってもらうのに手間取るほか、離島のために電波が届きにくい作品もあるとの報告もあり、紙パスポートの方が使い勝手は圧倒的に良いです。さらに、デジパスはひょっとしてスマホやタブレットのバッテリーが切れないか、アプリに不具合が起こらないかという心配もあります。
なお、瀬戸芸デジパスアプリにはマップ機能がありますが、あまり使い勝手がよくありません。瀬戸芸公式アプリ(App Store / Google Play)と合わせて利用しましょう。
3. 船を乗りこなせ!
船は大きく分けて2種類
フェリーと高速艇・旅客船(以下、まとめて「高速艇」)の大きく分けて2種類の船があります。船会社や航路が同じであっても、船の種類によって所要時間、運賃、定員、乗り場が異なり、公式サイトや公式ガイドブックの時刻表ではそれぞれ、「フ」と「高」として表記されています。
フェリー
徒歩客だけでなく、車、バイク、自転車を積み込むこともできます。定員が多いのですが、座席のない立席定員を含みますので、混雑時には甲板や通路に立って乗ることもあります。高速艇に比べて時間はかかりますが、運賃が安いです。フェリー8航路限定3日間乗り放題乗船券の対象になっている航路があります。
高速艇
車、バイク、自転車は積み込めません。定員も少なく、混雑時には乗船整理券が配布されたり、積み残しが発生することも多々あります。高速艇は速いですが、運賃が高いです。フェリーに比べて小さい上にスピードを出すため、船酔いしやすい方はお気をつけください。船酔いしやすい方でなければ、瀬戸内海は波が穏やかなので、心配はいりません。また、高速艇は強風・波浪時にフェリーよりも欠航しやすいです。天候が心配なときは公式サイトやアプリの緊急情報、各船会社の公式ツイッターなどを確認しましょう。
便数が限られます・臨時航路があります
瀬戸芸会期中は増便されているとはいえ、船は都会の地下鉄のようには頻発しません。必ず、公式サイト: 航路と時刻表を事前に確認しておきましょう。往路はもちろんのこと、復路も忘れずに。さらに、瀬戸芸会期中限定の増便や臨時航路については、各船会社のウェブサイトに掲載されていないものもあります。必ず、公式サイト: 航路と時刻表で確認しましょう
なお、非公式ですが、Facebookグループ「瀬戸芸ファンコミュニティm」作成の航路&時刻表(2022夏会期用)が劇的に使いやすいです。こちらからダウンロード可能です。A4 2枚ですが、字が小さくなるのが気にならなければ、1枚に2ページ印刷すれば航路と時刻表がひと目で見られます。
混雑日には積み残しが発生!
過去の瀬戸芸ではゴールデンウィーク、お盆、三連休などに数百人の積み残しが発生しています。船の定員を優に超える旅行者が押しかけるため、乗れないのです。2022年4月30日は、高松発女木島・男木島行きのフェリーや、豊島行き高速艇、直島行き高速艇で積み残しがありました。大勢の積み残しが発生した場合は臨時便が出ますが、必ず出るとは言い切れず、いつまで待つのかもわかりません。
前回、2019年のゴールデンウィークの高松港の様子をご覧ください。
こちらは2022年4月27日に瀬戸芸ファンが独自に作成した、今季ゴールデンウィーク期間中の「いったい何時(何分前)までに乗船券窓口(乗船券購入列)に行けば船に乗れるのか?」の表です。○印は積み残しなし予想ですので、大半の便で積み残しが予想され、実際に積み残しが発生しました。各便の出航時間に対して、何時までに乗船券購入列に並ぶべきか、参考になさってください。
特に、地中美術館や豊島美術館等を予約している方はご注意ください。船に乗れなかったからといって、予約チケットの返金はされません。
なお、○印になっていても駆け込み乗船はNGなので出航10分前には乗船券販売窓口に到着するようにしましょう。また、フェリーに車を載せて行く場合は、車載スペースが満車ということもありえますので、出航30分前には行くようにしましょう。
同様に、帰りの航路についても早めに港に着いておかないと、積み残しになって臨時便待ちになる場合があります。
高松港高速艇乗り場
高松港から高速艇、および、女木島・男木島行きフェリーに乗られる方は、ぜひご一読ください。乗船券の買い方、購入列の並び方、乗船場所、乗船列の並び方が複雑です。鬼ヶ島こと、女木島行きもここから出航するだけに、文字どおり「鬼門」といえるでしょう。
乗り放題乗船券は買うべき?
対象となるのは、フェリーの6航路です。すなわち、高速艇には使えませんし、秋会期の西部の島々への航路にも使えません。そもそも、犬島や大島へは高速艇でしか行けませんし、高松〜豊島の直通航路も高速艇だけです。(公式サイト: 航路と時刻表)
とはいえ、高速艇は定員が少なく、積み残しの不安というデメリットがあるため、積極的にフェリーを使うメリットもあります。たとえば、高松〜豊島の直通航路は高速艇だけですが、高松〜小豆島(土庄)〜豊島(家浦・唐櫃)や、高松〜直島(宮浦)〜豊島(家浦)とフェリーで乗り継げば、この乗り放題乗船券が使えます。
この乗り放題乗船券のメリットは対象航路が乗り放題になるだけではありません。実券を購入、もしくは、事前購入した引換券を実券に交換しさえすれば、あとは乗船時に直接、乗船待ちの列に並べばOKです。乗船券売り場の列に並ぶ必要はありません。ただし、船の定員に達した場合は、乗り放題乗船券を持っていても乗ることはできませんので、混雑日は早めに乗船列に向かいましょう。
もし、3日間以上かけて瀬戸芸を楽しまれる方は、この乗り放題乗船券をいつから使い始めるかを考えなければいけません。実券を購入、もしくは、事前購入した引換券を実券に交換した日から連続3日間で有効となる乗船券だからです。対象航路に乗る日と、対象外航路に乗る日とを分けたいところです。
本州(岡山・兵庫)からも渡れます
直島
岡山県宇野港からのほうが、高松港からよりも直島に近く、船の便数も多いです。
豊島
岡山県宇野港、小豆島土庄港からもフェリーや高速艇で渡れます。土日祝のみ岡山市中心部の京橋乗り場からの臨時航路が運航します(岡山京橋クルーズ)。
犬島
岡山県宝伝港からはわずか400円で、船の便数も断然多いです。土日祝のみ岡山市中心部の京橋乗り場からの臨時航路が運航します(岡山京橋クルーズ)。犬島への全航路、および、JR岡山駅/西大寺駅〜西宝伝バス停(宝伝港から徒歩5分)の時刻表は犬島ガイドMAP参照。なお、高松港から直島や豊島を経由して犬島まで行くと、片道で2,500円ぐらいかかります。
小豆島
兵庫県神戸港、姫路港、岡山県新岡山港、日生港からも小豆島へ渡れます。いずれもフェリーなので、車なども載せられます。
本島
岡山県児島観光港(JR児島駅から徒歩5分)からも航路があり、途中、瀬戸大橋の下をくぐります。本島が会場となる秋会期中は増便もあります。なお、JR児島駅は特急を含むすべての列車が停車します。
拠点はどこがいいか
最も一般的な拠点はやはり、高松です。直島、豊島、女木島・男木島、大島、小豆島(土庄・池田・坂手)と航路が最多ですし、都市の規模も大きいため、宿泊施設や飲食店などにも事欠きません。JR高松駅だけでなく高速バスターミナルや私鉄のことでん高松築港駅からも高松港まで徒歩5分とほぼ隣接しているほか、瀬戸芸会期中は高松空港リムジンバスがフェリー乗り場まで延伸するなど、高松港までのアクセスは抜群です。
本州からお越しの方で、行き先を直島と豊島に絞るのであれば、宇野がいいでしょう。先述のとおり、船の本数も多く、乗船時間も短いです。JR宇野駅から宇野港まで徒歩5分で、周辺に宿泊施設もいくつかあります。ただし、JR宇野駅まではJR岡山駅から各停直通列車か、快速+各停の乗り継ぎ列車や1時間前後かかります。宇野みなと線の本数が少ないのもネックです。しかしそこは、両備バスの玉野渋川特急線でカバーできます。時間はJRとほぼ同じ1時間で乗り換え不要です。
秋会期に西部の島々へ行くなら、丸亀拠点をおすすめします。本島への船が発着する丸亀港まではJR丸亀駅から徒歩10分と近い上に、本島まで行ってしまえば、あとの高見島、粟島へも本島からの臨時航路でアクセス可能です。JR丸亀駅は松山・高知〜岡山間や松山・高知〜高松間の特急を含むすべての列車が停車するので岡山からも高松からもアクセスがいいほか、伊吹島への観音寺駅、粟島への詫間駅、高見島への多度津駅へもそれぞれ、乗り換えなしで行けます。高松を拠点にして西の島々を目指そうとすると、これらの最寄駅へ行くまでにも時間がかかってしまいます。さらに、JR丸亀駅へは高松空港から直行のリムジンバスもあり、高松を経由する必要はありません。JR丸亀駅周辺にはホテルもゲストハウスもあり、飲食店もあります。
4. 予約が必要・可能な施設
混雑日は早々に予約チケットが完売することがありますので、お早めに。
直島
- 地中美術館
- 杉本博司ギャラリー 時の回廊
- 家プロジェクト「きんざ」
- 家プロジェクト「南寺」(本村ラウンジ&アーカイブにて整理券を当日配布)
豊島
5. 休館日がある
瀬戸芸の会期中であっても、休館日のある施設・作品がいくつかあります。
開館カレンダーで必ず確認しておきましょう。
また、直島、豊島、犬島の多くの施設は「ベネッセアートサイト直島」が管理しているため、そちらのベネッセアートサイト直島・開館カレンダーで最終確認してください。
直島
屋外作品などの一部を除いて、大半の施設は月曜日が休館日です。ただし、連休中や連休の前後には、休館日が変わることがあります。直島島内の飲食店も、地中美術館などの休館日に合わせて休業するところがあります。
豊島・犬島
屋外作品などの一部を除いて、大半の施設は火曜日が休館日です。ただし、連休中や連休の前後には、休館日が変わることがあります。豊島美術館や犬島精錬所美術館の休館日は、運休する船便や、ダイヤが変わるものがあります。豊島、犬島島内の飲食店も、豊島美術館や犬島精錬所美術館の休館日に合わせて休業するところがあります。
6. 瀬戸芸だからこそ行くべき島は?
混雑が予想され、時間も限られていれば、必然的に鑑賞するスポットも絞ることになります。その場合はぜひ、瀬戸芸の会期中にしか公開されない作品を鑑賞されることをおすすめします。
直島、豊島、犬島にある各美術館や屋外作品をはじめとする施設・作品については、そのほとんどが瀬戸芸閉幕後も鑑賞することができます。特に人気の地中美術館や豊島美術館などは、会期外のほうが旅行者が少なく、落ち着いて鑑賞することができます。ただし、豊島は普段であれば島内バスの本数がとても少なくて不便なところ、瀬戸芸会期中に限っては大幅に増便されています。もし、レンタサイクルではなくて島内バスで豊島をめぐりたい方は、瀬戸芸会期中に訪れるといいでしょう。
また、沙弥島(しゃみじま)&与島は春会期だけ、本島、高見島、粟島、伊吹島は秋会期だけの開催です。さらに、これらの島の作品は瀬戸芸会期中にしか公開されないものが多いので、ぜひ会期中に訪れたいですね。
7. 島で泊まってみよう
ぜひ、島で泊まってみましょう。
島で泊まれば、高松や岡山への最終便が出たあと、島民と宿泊客しかいない静かな島の時間を楽しむことができます。さらに、高松港と島との間を往復する時間や費用も抑えられます。
島の宿泊施設には、大手宿泊予約サイトには掲載されていないものも多くあります。こちらのページから各島を選べば、島内の宿泊施設情報のページへのリンクがありますので、参考にしてみてください。
上の写真は女木島ゲストハウス&カフェMegino。高松までフェリー20分で帰れるけど、そこをあえて島で泊まるのがいいんですよ。
8. オフィシャルツアーに参加しよう
ツアーガイドがアート作品や島の魅力を案内してくれる、オフィシャルツアーがあります。
ツアーには昼食も含まれているほか、ほとんどのツアーはチャーター船で島を巡るため、ランチや船の心配も要りません。
ゲストハウス若葉屋の宿主も参加したことがありますが、自分たちだけでの旅では知ることのできなかった島のこと、作品のことに触れることができて、また参加したいと思っています。
9. イベントを楽しもう
そのとき、その場所でしか体験できないイベントが各地で開催されます。ぜひ、参加してみましょう。
パスポートを持っている方は、有料イベントに割引価格で参加できるものもあります。
10. 島を想う、瀬戸芸を作る
なぜ、この芸術祭の舞台は瀬戸内の島々でなければならなかったのでしょうか。
目の前のアート作品の姿かたちだけを見て、撮って、シェアしてだけではなく、その作品の奥底に流れる島の物語を想ってほしいです。
また、多くの作品が瀬戸内を背景に取り込んで、完成されています。
その瀬戸内で暮らす人びとを想ってほしいです。
島の人と会話をしてみたり、こえび隊(ボランティアサポーター)に作品について尋ねてみたりしてみましょう。
オフィシャルツアーに参加するのもいいですし、こえび隊になってしまうのもいいでしょう。
今回の瀬戸芸は、コロナ禍のために海外からのこえび隊参加ができないこともあって、ひとが足りていないという声を聞きます。ぜひ、こえび隊に参加して、一緒に瀬戸芸を作ってみませんか。
島を想って、瀬戸芸を楽しんでください。
傷ついた”ごみの島”にアートがもたらした変化と、変わらぬ価値(2022/5/26, Yahoo! JAPAN SDGs 編集部)